COVID-19とデューデリジェンス

COVID-19とデューデリジェンス

COVID-19とデューデリジェンス 1200 675 Blackpeak

当社では、お客様に一流のサービスと質の高い調査、そしてお客様のご要望に対してご満足頂ける調査内容を提供することをお約束致します。この不確実な時代に、このお客様へのお約束をどのように果たしていくべきか、当社マネージングディレクターのJack Clodeと、ディレクターのNatalie KwanとAlex Nasrが、COVID-19が当社を始めとするリサーチ業界にもたらす影響について話をしました。

Jack Clode

マネージングディレクター

Natalie Kwan

リサーチ部門ディレクター

Alex Nasr

ディレクター

1. 業界はCOVID-19の影響をどのように受けたと思うか?

Jack Clode:

このような経済の混乱と不確実性の高い時代では、各投資家や各企業は以前よりも更に大きなリスクに直面しており、身を守るためにより多くの事実と情報を必要としている。2003年のSARSの流行や2008年の世界的な金融危機の時と同様に、当社のグローバルチームは現在お客様を支援することで多忙を極めている。パンデミックという世界共通のストレスが、逆に当社のチームメンバーを今迄以上に一丸とさせ、社内で協力し合いながらお客様の支援をさせて頂いていることは、当社の誇りと感じている。

Natalie Kwan:

当社の事業運営形態に関しては、実際にはそれほど大きな影響はない。一方、パンデミックによりM&A活動は鈍化しているが、各社は今の内に活動が再び加速する時の準備をしたいと考えているように感じる。その為か、通常通り今年も引き続き沢山のお問合わせを頂いている。

2. COVID-19により調査方法をどのように適応させなくてはならなかったか?

Natalie Kwan:

デスクトップ調査についてはほとんど影響を受けていない。調査の多くはパソコン上で行われているため、当社の調査チームはテレワークを以前から導入している。ほとんどの政府機関はオンライン情報を提供しているため、当社の広範な人的ネットワークも活用すれば、世界中のほぼどこでも調査が可能である。また、人的ソースである人々も自宅で勤務しているため、話をしてくれる機会が増え、情報を共有してくれる傾向が普段より高くなり、お客様へ以前より多くの情報を提供できるようになった。

Alex Nasr:

当社の調査員は主要な都市に拠点を置いているため、調査ではあまり旅行制限の影響を受けていない。必要な調査業務を実施できなかった事例はまだない。特に、現場訪問及びその他の現地調査作業の需要については、現場の生産及び稼動再開がされてから需要がでてくる傾向がある。ロックダウンされている場所については、現場にアクセスはできないが、アクセスする需要もないため、影響もほとんどない。

3. COVID-19は長期的にリサーチ業界にどのような影響があると思うか?

Alex Nasr and Jack Clode:

ウイルスによって引き起こされた混乱の結果として、企業は契約上の義務を果たすことができなくなり、約束した商品やサービスを提供することができなくなっている。これにより、多くの企業が不可抗力を行使して契約から抜け出し、紛争がさらに増えることになるだろう。

残念ながら混乱によるキャッシュフローの不足により、多くの企業が倒産することも予想される。また、取引や事業提携の減少、製造拠点の移転やコスト削減などのビジネスモデルの再構築が行われるなど、大きな変化が予想される。

このように、多くの企業が大きな経済的圧力を感じている為、既存の詐欺または会計問題が明るみにでやすくなるだろう。また、在宅勤務によって企業のガバナンス問題が深刻になり、詐欺や不正行為の機会が増える可能性もある。従業員がITシステムの管理下にない、リスクに晒されている環境で仕事をしている為、企業はIT問題などビジネスの継続性におけるリスクに直面している可能性もある。

各企業がこれら全てのリスク要素に対して解決策を探し求めることは、デューデリジェンス業界の活性化には繋がっている。事業会社は特にサプライヤーが景気後退の緊張をどの程度感じ、COVID-19をどの程度言い訳として利用しているかを知りたいのではないかと思う。この危機の中で事業を行うことはより困難となってくるため、新しいベンダーや取引先との提携などを通じて、コスト削減や利益増加の新しい機会を創出する必要性が出てくる。その際には、以前よりも慎重なデューデリジェンスを行う必要がある。各企業はIT問題を含むリモート作業に関連するリスクを削減する方法や、困難な環境で事業を行うためのより良い方法を模索している。